[研修報告]セミナー2017「言語発達研究と言語聴覚療法~それらをどうつなぐか?~」

2017年7月30日(日)、竹田綜合病院竹田ホール(会津若松市)にて、セミナー2017「言語発達研究と言語聴覚療法~それらをどうつなぐか?~」が開催されました。このセミナーは、公益社団法人日本心理学会幼児言語発達研究会主催、一般社団法人福島県言語聴覚士会共催にて開催されました。<小児臨床>・<情報工学>・<心理学>の3分野を代表するトップの先生方の貴重なご講演を拝聴することが出来ました。

<小児臨床>言語聴覚士のリハビリテーション現場での言語発達研究:阿久津由紀子会長(竹田綜合病院)、小林哲生先生(NTT研究所)

言語発達分野の基礎と臨床との連携や情報交流が必要であること、言語発達基礎研究の最近のトピックス、現在進行中の研究プロジェクトをご紹介頂きました。

<情報工学>失語症者の言語訓練現場におけるタブレット・ロボット活用研究:黒岩眞吾先生(千葉大学)

慢性期失語症者の訓練にタブレット・ロボットの活用を試みたケースの紹介があり、実際に自宅に貸し出しての練習の様子を提示して頂きました。このような機器は訓練やST育成にも生かすことが出来る可能性があると話されていました。

<心理学>言語発達心理学の最前線:針生悦子先生(東京大学)

言語発達の基礎的な過程(言語音を作り出す、音声を聞く、単語の意味を学習する)について分かりやすく丁寧に教えて頂き、言語発達に重要な時期とその特徴を再認識することが出来ました。

セミナー後は、ポスター発表のセッションがあり、和やかながら活気ある交流をもつことができました。日々の臨床だけでなく、それを支える基礎研究に目を向け、日々進歩する情報工学にも関心を持つことで、臨床の幅が広がり、言語聴覚療法の質の向上に繋げることが出来ると実感した一日でした。

 

文責:斎藤貴美子(竹田綜合病院)