日時:平成27年10月16日
場所:郡山市中央公民館 多目的ホール
主催:福島県
市町村及び地域包括支援センターにおいて個別ケースを検討する地域ケア会議を実施しているところは多いですが、地域課題を検討する地域ケア会議を実施しているところは少なく、地域課題が地域づくり・地域資源開発・政策形成に結びついていない現状があることから、今回の研修会が行われました。福島県言語聴覚士会からは、合計10名(理事4名、会員6名)、会津、県中(+郡山市)、県南、県北、いわき、相双のすべての圏域から参加することができました。
まず、地域包括支援センター設置運営要綱の改正について説明がありました。地域包括支援センター強化のためには、適切な人員を配置し、市町村やセンター間の役割分担と連携強化を図り、効果的なセンター運営が継続することが求められています。地域ケア会議を努力義務化し、関係者に必要な協力を求めながら実施していく中で、個別ケースから地域課題を検討し、市町村に集約していくことが必要です。市町村は地域包括支援センターと連携しながら、生活支援・介護予防サービスの充実と高齢者の社会参加にむけて、生活支援コーディネーターや協議体の配置などの取り組みを進めていくとのことでした。
次に、地域課題の検討を行う地域ケア会議について説明がありました。地域ケア会議には、地域包括支援センター主催の地域ケア個別会議と市町村主催の地域ケア推進会議があります。地域ケア個別会議の機能は、①個別課題解決機能、②ネットワーク構築機能、③地域課題発見機能であり、地域ケア推進会議の機能は、④地域づくり・資源開発機能、⑤政策形成機能です。個別の事例が蓄積されていく中で各地域の課題が抽出され、高齢者個人に対する支援の充実(+社会基盤の整備)を行っていくことで、地域で尊厳のあるその人らしい生活の継続を得られるようにしていくのが目的です。地域ケア会議には総合的な判断ができるよう多職種を選出し、質の向上を図る必要があります。そのためには、日頃からのネットワークづくりが必要です。
その他、実践報告として白河、石川町の地域ケア会議の取り組みのご講演や地域課題を資源改札や政策形成へつなげるグループワークなどを行いました。
研修会に参加して、地域ケア会議の位置づけや取り組みの内容を理解することが出来ました。今後、各支部PT・OTや各市町村との情報共有していくためにも、連携を高めながら、少しずつ協力体制を構築していくことが必要と思われました。
(板東)