令和4年度福島県言語聴覚士会主催県民講演会報告

令和4年度福島県言語聴覚士会主催県民講演会「Dr.いしだの脳神経内科×言語聴覚療法の世界~疑問・お悩み解決トークLIVE~」報告

令和4年度の県民講演会を11月27日(日)10:00~行いました。

講演に先立ち、当県士会の山田奈保子副会長より挨拶があり、当県士会の活動を広報部の櫻井より紹介させて頂きました。

今年の講演会は、竹田綜合病院脳神経内科科長の石田義則医師をお迎えし、前半は脳の機能やオンライン診療についての取り組みを分かりやすく説明して頂きました。特に、オンライン診療については、タブレット端末を用いてどのようにして診察をしているのか、説明があり、さらにはその情報の活用について紹介がありました。実際の場面の写真と分かりやすい図で、とても理解しやすい内容だったかと思います。

また、講演会の後半には、事前に皆さまから集めた質問にお答えしながら講演を進める、『トークLIVE』という新しい取り組みとなりました。

 質問には、「脳血管障害後の車の運転について」や「もの忘れ外来について」の困りごととその対応について、参加していた言語聴覚士から意見がありました。また、「失語症の障がい者等級について」では、全国失語症友の会連合会の園田理事長から最近の動きについても報告がありました。多くの方の意見があることで、参考になったかと思います。

 特に、失語症の方についてのコミュニケーションについては、「日によっても体調が異なるので、体調にも合わせて進めること」「“わかってあげたい”という気持ちが大切」という話では、みなさんの心に響いたのではないでしょうか。

 最後になりましたが、この場をお借りしてお忙しい中、県民講演会の講師を引き受けて頂きました石田先生に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

令和4年度スキルアップセミナー「嚥下障害」報告

令和4年10月13日(木)にスキルアップセミナー「嚥下障害」がオンラインにて開催されました。講師は当会の理事である斎藤佐和氏(竹田綜合病院)で、「嚥下障害」について講義して頂きました。

 参加者は84名で、他県からの申し込みもありました。講義も摂食嚥下に関わる解剖やしくみから始まり、評価方法と観察するポイントまで詳しく話がありました。また、これから増加していくと思われる認知症の嚥下障害や、自立支援型地域ケア会議や地域で嚥下障害をみていくことに役立つ資料の紹介があり、目の前の患者さんだけでなく、幅広い視点で嚥下障害を見ることのヒントも多くありました。

 嚥下障害のリハビリついて「幸せに食事ができるように環境調整を行うこと」、「患者様や利用者様を家族だと思ってみる」という言葉も非常に心に残りました。皆さんはいかがだったでしょうか?

 スキルアップセミナーは、毎年行われます。経験年数が少ない方は、スキルアップを、経験年数がある方はブラッシュアップができる場となります。今後も皆さんの興味のある内容を提供していきます。楽しみにしていてください!!

(広報部;大竹)

令和3年度自立支援型地域ケア会議助言者研修報告

令和4年3月11日(金)18:00~『自立支援型地域ケア会議助言者研修会』を実施しました。この研修会は毎年年度末に地域包括ケア委員が主催して開催し、自立支援型地域ケア会議に助言者として出席されている方々のフォローアップの場となっています。

 今年度は、委員会の副委員長を務めている佐藤伊久生さん(県中)が『地域ケア会議の裏技~人をその気にさせるには?~』という内容で講義をしました。 

会議で渡される資料から、問題となっている“本質”をどのような視点をもってつかんでいくか、個人ワークとグループワークで意見を出し合いながら進められ、多くの点で主体的に考え、学ぶ機会になりました。後半では、事例の個性を把握する方法から、ケアマネさんや事例に対して実際に行動に移してもらうために「個性をとらえて感情に訴える方法」「語りでその気にさせる方法」等、効果的な方法について話がありました。ただ伝える、助言するだけではなく、実践につながる助言ができるようになったかと思います。

最後に、板東地域包括ケア委員長より、自立支援型地域ケア会議の報告書の改訂について来年度より、Googleフォームでの入力となることが報告され、入力項目について大竹委員(県南)より説明がありました。

これからもより会員の皆さまに安心して自立支援型地域ケア会議に参加できるよう、また、より効果的に助言ができるよう委員会で支えていくことができればと思っております。

(県南:大竹)

令和3年度福島県言語聴覚士会研究発表会(オンライン)開催報告

令和4年2月27日日曜日、令和3年度福島県言語聴覚士会研究発表会(オンライン)が開催されました。感染症対策等の影響から昨年、一昨年と中止となっていた為、3年ぶりの開催となりました。

今年度は、演題1会津中央病院の増子健太氏による「呼吸器リハビリテーションに言語聴覚士が関わること~食事摂取についての検討~」、演題2竹田綜合病院の青木亜美氏による「前頭側頭葉変性症(FTLD)疑いの進行性失書の一例」、の2演題の発表となりました。 

それぞれ、異なる切り口からの発表であり、活発な質疑応答もあり演題発表者、参加者ともに学びの多い発表会になりました。

研究発表後に、当会の阿久津由紀子会長、志和智美副会長、山田奈保子副会長からそれぞれ、研究発表会の意義についてお話を頂き、最後に佐藤睦子顧問より総評を頂き終了しました。個人レベルでは日々の臨床の中での発見や気づきを大切に、掘り下げて調べていき、そこで得られた知見を様々な場で発表、報告することを目標とし、会としては今後の研究発表会が益々活発なものとなるよう取り組んでいくことで、全体のレベルアップとなります。“継続は力なり”個人としても、団体としても明日からの取り組みを積み上げ、来年につなげていきましょう。

令和3年度福島県言語聴覚士会講演会 開催報告

令和4年2月27日日曜日11:00~、令和3年度福島県言語聴覚士会講演会を開催しました。当会の顧問であり、日本言語聴覚士協会副会長の長谷川賢一先生の東北文化学園大学御退官を記念して、長谷川先生より「臨床と養成教育の経験から思うこと~臨床、研究、職能への取り組みを振り返る」をテーマに、オンラインによりご講演いただきました。福島県内外より95名と多くのご参加をいただき、盛会裏に終了いたしました。

講演会では先生の生い立ちから、1970年代に言語聴覚士が国家資格となる以前の臨床や学会発表、国家資格化に向けた協会活動、養成教育と多岐にわたる内容で、先生の50年の経験は1時間半では足りず、参加された皆様もまだまだお聞きしたかったかと思います。

講演の最後に、先生が私たちに託したメッセージは、

「主体的な姿勢(自分を変えられるのは自分)」

「患者さんから学ぶ(臨床から多くのことを学ぶことができる)」

「日々の臨床の中に明日の言語聴覚療法がある」

「失敗を恐れない(失敗は学習のチャンス)」

「事前の確認(目的、方法、効果)が重要」

「成長的思考(確かな学びに向けて失敗を活かす)」

明日からの私たちの取り組みは、必ず誰かにつながります。先生から受け取った思いをしっかりと次へつなげることができるよう、メッセージを胸に日々の臨床に取り組んでいきたいと思います。

長谷川先生、ありがとうございました。そして、これからも福島県言語聴覚士会をよろしくお願いいたします。