平成30年度一般社団法人福島県言語聴覚士会総会・研修会

5月20日日曜日に平成30年度一般社団法人福島県言語聴覚士会総会・研修会がNABEホールにて行われました。

総会では阿久津会長から開会の挨拶の後、議事の進行が行われ、委員の変更ならびに新たに委員に任命された方々のご紹介が行われました。また総会では年会費値上げ案が承認され、来年度から年会費が8000円となります。引き続きご理解とご協力をお願い致します。

山田副会長の閉会の挨拶の後に、今年会津で開催される失語症のつどいの案内があり、例年恒例の当日出席された会員全員と新入会員の記念撮影を行いました。

後半は情報提供が2題行われ、最初に、志和副会長から平成30年度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の「トリプル改定」概要について説明がありました。今回の報酬改定の意味合いを知る事は、いま私たち言語聴覚士が求められている事、今後行っていく事への理解につながると思います。日々の評価や報告、外部への発表など、私たちが日常行っている言語聴覚療法の意義をしっかりと外に向けてアピールしていきましょう。

次に、山田副会長から文部科学省と学校への言語聴覚士参画について話しがありました。特別支援教育の充実を図るため外部専門家として言語聴覚士が学校教育の中に深く関わっていく事が求められるなか福島県における言語聴覚士の活用状況について知る事ができました。今後言語聴覚士として学校教育との連携を図るため県内各地域の会員の協力が必要となります。つながりを大切に言語聴覚士に求められている事にしっかりと応えていければと思います。

またお昼には施設代表者会議を行い、午後からは研修会「自立支援型地域ケア会議」について、最後に支部役員会が行われました。

研修会では板東地域包括ケア委員長から自立支援型地域ケア会議についての概要や助言のポイント、昨年度のモデル事業における助言内容などの話しがありました。今後ケア会議へ参加される会員にとって非常に参考となったのではないかと思います。グループワークでも活発な意見交換が行われケア会議へのイメージを深めることができたと思われます。

総会から研修会と非常に内容の濃い、充実した一日でした。ご参加いただきました先生方、本当にお疲れ様でした。本年も県士会活動への参加と協力をよろしくお願い致します。

広報部 櫻井 亘

 

[活動報告]認知症サポーター養成講座

平成29年8月6日(日)、竹田綜合病院竹田ホール(会津若松市)にて福島県言語聴覚士会主催認知症サポーター養成講座(90分)が行われました。認知症キャラバンメイトである阿久津由紀子会長より認知症の基礎のお話があり、その後、遠藤祐子先生(竹田健康財団認知症デイサービスOASIS)より認知症への対応について講義頂きました。遠藤先生のお話は大変ユニークであちらこちらから笑い声が上がり、真剣ながらも楽しく認知症への理解を深めることができました。講義後は、グループワークで、認知症の方の行動や気持ちについて考え、よりよい支援について意見交換を行いました。認知症を他人ごとではなく、自分ごととして学ぶ事が出来ました。35名が受講し、最後に認知症サポーターの証のオレンジリングを受け取りました。

文責:渡辺佐和

[研修報告]セミナー2017「言語発達研究と言語聴覚療法~それらをどうつなぐか?~」

2017年7月30日(日)、竹田綜合病院竹田ホール(会津若松市)にて、セミナー2017「言語発達研究と言語聴覚療法~それらをどうつなぐか?~」が開催されました。このセミナーは、公益社団法人日本心理学会幼児言語発達研究会主催、一般社団法人福島県言語聴覚士会共催にて開催されました。<小児臨床>・<情報工学>・<心理学>の3分野を代表するトップの先生方の貴重なご講演を拝聴することが出来ました。

<小児臨床>言語聴覚士のリハビリテーション現場での言語発達研究:阿久津由紀子会長(竹田綜合病院)、小林哲生先生(NTT研究所)

言語発達分野の基礎と臨床との連携や情報交流が必要であること、言語発達基礎研究の最近のトピックス、現在進行中の研究プロジェクトをご紹介頂きました。

<情報工学>失語症者の言語訓練現場におけるタブレット・ロボット活用研究:黒岩眞吾先生(千葉大学)

慢性期失語症者の訓練にタブレット・ロボットの活用を試みたケースの紹介があり、実際に自宅に貸し出しての練習の様子を提示して頂きました。このような機器は訓練やST育成にも生かすことが出来る可能性があると話されていました。

<心理学>言語発達心理学の最前線:針生悦子先生(東京大学)

言語発達の基礎的な過程(言語音を作り出す、音声を聞く、単語の意味を学習する)について分かりやすく丁寧に教えて頂き、言語発達に重要な時期とその特徴を再認識することが出来ました。

セミナー後は、ポスター発表のセッションがあり、和やかながら活気ある交流をもつことができました。日々の臨床だけでなく、それを支える基礎研究に目を向け、日々進歩する情報工学にも関心を持つことで、臨床の幅が広がり、言語聴覚療法の質の向上に繋げることが出来ると実感した一日でした。

 

文責:斎藤貴美子(竹田綜合病院)