(活動報告)第9回福島県失語症者のつどいin郡山

2016年10月に開催された「第9回 福島県失語症者のつどい」の活動報告が届きました。

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この度、第9回目となる「福島県失語症者のつどい」は、昨年10月29日(土)に郡山市の国際メディカルテクノロジー専門学校(現国際医療看護福祉大学校)Annex校舎4階講堂を会場に開催されました。

 参加者は会津失語症友の会から当事者の方12名、ご家族1名、言語聴覚士及びボランティア6名、いわき失語症友の会から当事者の方10名、ご家族4名、言語聴覚士及びボランティア1名、福島失語症友の会(県北ことばのリハビリ友の会)から当事者の方12名、ご家族1名、言語聴覚士及びボランティア4名、南東北春日失語症友の会から当事者の方4名、ご家族5名、言語聴覚士及びボランティア4名、県南白河失語症友の会から当事者の方2名、ご家族1名、言語聴覚士及びボランティア4名、郡山失語症友の会から当事者の方12名、ご家族1名、言語聴覚士及びボランティア5名、音楽療法士1名、学生65名、参加者は計154名でした。

 プログラムは、まずはじめに予め各地区の参加者が交流できるように割り振られたグループごとの10テーブル(花の名前付き)で、各々自己紹介(挨拶、握手)を行なった。次にリレーメッセージと題して各地区から日頃友の会に参加している言語聴覚士から一人一人意見、感想を発表してもらいました。いわき失語症友の会を担当しているかしま病院言語聴覚士の相澤悟さんから始まり順に、白河失語症友の会を担当している白河厚生総合病院言語聴覚士根本 竜也さん、飯村瑞樹さん、郡山失語症友の会を担当している国際メディカルテクノロジー専門学校言語聴覚士吉田寿晃さん、会津失語症友の会を担当している竹田綜合病院言語聴覚士裴雅蓮(ペイヤリャン)さん、福島失語症友の会を担当しているあづま脳神経外科病院言語聴覚士秋山淳さんにお願いしました。続いて当事者の方の体験発表で、福島失語症友の会からは高橋愛さん、いわき失語症友の会から松本守一さん、会津失語症友の会から秋山武広さんの3人の方からお話を頂きました。

 午前のプログラムが終了し、参加者全員に仕出し弁当が配られ、学生手作りの味噌汁も添えられて昼食をとりました。各テーブルにご家族や学生が入って歓談し交流を深めました。

 昼食後、午後のプログラムが開始となりまず初めに午後から国際メディカルテクノロジー専門学校の学生による手話合唱(「ヒロシマの有る国で」「空より高く」)を披露しました。

次にアトラクションとして各々の友の会から出し物を披露してもらいました。白河失語症友の会からはゲーム(間違い探しゲーム)、福島失語症友の会からはクイズ、会津失語症友の会からは「紅葉」の合唱、いわき失語症友の会からは「学生時代」の合唱、郡山失語症友の会からは朗読(小さな駅の待合室)が発表されました。

 休憩をはさみ、どら焼き作り、学生によるレクリエーション(風船バレー)、お土産として学生手作りの栞の贈呈を行いました。

 最後に郡山失語症友の会を代表して副会長の丸山重さんからご挨拶があり、閉会となりました。

(国際医療看護福祉大学校 言語聴覚士科 学科長 猪川一裕)

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今年度は県南地域で開催される予定です。詳しい日程が決まりましたらご報告します。今年もよろしくお願い致します。

<活動報告>スキルアップセミナー&研究発表会(12/18)

12月18日(日)、総合南東北病院NABEホールにて、当会主催「スキルアップセミナー(失語)」と「平成28年度研究発表会」を開催し、県内各地から100名を超える会員の参加がありました。dsc06674


午前中の「スキルアップセミナー(失語)」では、当会の阿久津由紀子会長(芦ノ牧温泉病院)が講義を行いました。
失語症に関する臨床研究は日々進化しており、言語症状と病巣との関係など、学生時代に習った内容よりもさらに進化している失語症研究から、地域包括ケアシステムの視点からみた失語症のある方への支援の方法などについて理解を深めました。

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午後は「平成28年度研究発表会」。毎年12月に開催されている研究発表会ですが、今年は一般演題3題に加え、特別演題として「南相馬市の現状」3題の計6題の発表がありました。

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<一般演題3題>

<特別演題「南相馬市の現状」3題>


ご発表された皆さま、参加された皆さま、一日お疲れさまでした。
今年最後の県士会行事となりましたが、来年もまたご参加下さいますようよろしくお願い致します。

(文と写真:大平裕)

<活動報告>県民講演会&県民相談会(11/20)

11月20日(日)、星総合病院メグレズホールにて、当会主催事業「学術講演・県民講演会”寄り添うための基礎知識!子どものことばとコミュニケーションの障害”」と、「言語聴覚士による”きく・話す・食べる”県民相談会」を開催致しましたのでご報告致します。

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本日の講師は、福島県総合療育センターにおいて子どもさんの支援に携わってこられた、佐場野優一先生(当会顧問)です。

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先生は、退職されるまで長年にわたって、聞こえにくさのあるお子さんや、知的な遅れ、発達障害などに伴ってコミュニケーションをとりにくい子どもさんなどへの支援に言語聴覚士として取り組まれてこられました。

これまでも当会会員向けの講演は何度も頂いている佐場野先生ですが、当講演会では、専門家ではない方にも理解しやすいように…と、例えば、”アメとムチではなく、”アメとアメなしで褒める”など、誰にも分かりやすい言葉で、現在まさに子育てに取り組んでおられる親御さまや、子どもさんの発達支援にあたる保育や療育に携わる方々、また、若い世代のST(言語聴覚士)など、誰もが今日から実践できそうな、かかわり方のコツやポイントなどを、大変分かりやすくお話頂きました。

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皆さま真剣に聞いていらっしゃいます。(聞く側が集中して聞いていられるように…と、数十秒の休み時間が時々入ります)


講演会に続いて、ホワイエにて「言語聴覚士による”きく・話す・食べる”県民相談会」が行われました。

たくさんのご来場の方々が、体験コーナーや相談会ブースに足を運んでいます。

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相談コーナーです。小児の発達や、高齢者の聞こえや嚥下、認知症など、それぞれの臨床経験が十分にある言語聴覚士が担当しました。

 

 

こちらはパネルコーナーです。それぞれの職場でイキイキと働いている様子が伝わってきます。(写真が光って見えにくいですが…ごめんなさい)

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当日は多くの方々にご来場頂き、ありがとうございました。

”言語聴覚士”は、まだまだ世間一般には知られていない職業でありますが、ぜひ多く皆さまに私たちのことを知って頂きたいと思っております。
これからも福島県言語聴覚士会をどうぞよろしくお願い申し上げます。

(文と写真:大平裕)

<活動報告>平成28年度地域包括ケアシステム構築トップセミナー(10/31)

平成28年10月31日、郡山中央公民館で開催された福島県主催のセミナーに県士会役員10名で参加してきました。8月に引き続き2回目となった今回は、福島県立医科大学の大平哲也先生による健康増進差センターの事業説明と、同大学理事長の菊地臣一先生による講演がありました。

健康増進センターは、健康長寿の福島県を目指して県と一体となり、『健康寿命を延ばし健康格差を少なくする』ことを目標に進めている事業です。具体的には、健康寿命に関わる疾患のリスクが高い方へ疾病の早期発見や介護支援を行う『ハイリスクアプローチ』と、社会全体へ生活習慣の改善や社会参加を勧める『ポピュレーションアプローチ』を、データの評価・分析や健康増進対策、人材育成支援の3本柱で行っていく事業であり、その必要性と内容についてデータを用いながら説明がありました。
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菊地先生の講演では、痛みが様々な生活の場面や質に影響していることや運動が多くの疾患に良い影響を与えることなど、多くの論文を通して紹介して頂きました。
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菊地先生、大平先生ともに『福島県は被災地であるために健康年齢への影響が多くの場面で出てくることが予想される』と話しておられ、福島県独自の医療・介護の問題と言語聴覚士としてどのような関りをもっていくか、考えていきたいと思いました。

最後の質疑応答では、県内の医師が少ない現状への対策や、役所のシステムのあり方、地域議会の決議が住民にもたらす影響など、先生独自のお考えを聞くことができ、その発想や意気込みに多くの刺激を頂きました。(文責:大竹)

<活動報告>地域包括ケア人材育成プログラム「介護予防推進コース」(10/15)

10月15日(土)、福島市のLAVIVARE(ラヴィバレ)、2階ラヴィバレホールにて、 地域包括ケア人材育成プログラム「介護予防推進コース」が開催されました。
当研修会は、”福島県地域医療介護総合確保基金事業補助金”を活用した”介護予防の推進に資するOTPTST指導者育成事業”として開催したもので、8月に開催された「地域包括ケアコース」に続き、宮城県言語聴覚士会の皆さまも多く参加され、今回は県内外から23名の参加がありました。

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講師は、地域包括ケアコースに引き続き、日本言語聴覚士協会介護保険部の黒羽 真美 先生(介護老人保健施設マロニエ苑)です。

 

 

 

講義は、介護予防事業にリハビリ専門職が参画する必要性ととその背景、行政機関や他職種団体との連携、介護予防の実践などの講義、介護予防事業にどうSTが関わるかについてのグループ討議など、盛り沢山の6時間でした。

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dsc06252講義終了後、福島・宮城両言語聴覚士会会長からのあいさつのあと、参加者全員で集合写真を撮りました。
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地域包括ケアシステムにSTがどのように参加したらよいかを、仲間同士で話し合うことができる機会となりました。今後も、福島県言語聴覚士会は地域に貢献して参ります。(大平)