平成29年度福島県言語聴覚士会研究発表会・専門研修分科会

平成30年3月18日(日)、総合南東北病院NABEホールにて当会主催の「平成29年度福島県言語聴覚士会研究発表会」「専門研修分科会」が開催され、県内各地から会員・学生と多くの方にご参加を頂きました。

午前は「平成29年度研究発表会」。今年は一般演題6題の発表がありました。

岡崎 信世 かしま病院                  渡邉 正太 かしま病院

食べる環境設定のアプローチを行った結果、        誤嚥性肺炎後のリハビリテーションについて

自力摂取可能となった 1 症例               ~家族指導や自主訓練を中心に~

大野 真稔 あづま脳神経外科              黒澤 大樹 太田西ノ内病院

言語聴覚士の専門性を活かした経口摂取支援の検証   吃頻度は低いものの不安・恐れが強い成人吃音の 1 例

                          −年表方式のメンタルリハーサル法の訓練経過−

齋藤 貴美子 芦ノ牧温泉病院                     上遠野 正幸 星総合病院

脳幹出血による locked-in syndrome 症例への     県士会 災害リハ委員いわき視察報告

長期的コミュニケーション支援


午後は初の試みとして「専門研修分科会」を開催しました。

 

小児領域:

文科省「特別支援学校のセンター的機能充実事業」に関する報告と今後の方針

と講義(評価について)と症例検討会

摂食嚥下領域:

認知症患者の摂食嚥下障害について

多彩な症状の捉え方と対応方法について、講義と併せて臨床においてどのように対応しているのか、対応困難事例をテーマとしたグループディスカッション。

 

失語高次脳機能領域:

臨床アプローチに活かすための研究的視点についての講義

失語症・高次脳機能障害の臨床(今回は評価について)の留意点・疑問点をテーマにグループディスカッション

ご発表された皆さま、参加された皆さま、一日お疲れ様でした。

2018年9月2日の福島県リハビリテーション専門職学術集会2018が、次年度の研究発表会の場となります。

演題発表も含め多くの会員の皆様のご参加をお願い致します。

[活動報告]認知症サポーター養成講座

平成29年8月6日(日)、竹田綜合病院竹田ホール(会津若松市)にて福島県言語聴覚士会主催認知症サポーター養成講座(90分)が行われました。認知症キャラバンメイトである阿久津由紀子会長より認知症の基礎のお話があり、その後、遠藤祐子先生(竹田健康財団認知症デイサービスOASIS)より認知症への対応について講義頂きました。遠藤先生のお話は大変ユニークであちらこちらから笑い声が上がり、真剣ながらも楽しく認知症への理解を深めることができました。講義後は、グループワークで、認知症の方の行動や気持ちについて考え、よりよい支援について意見交換を行いました。認知症を他人ごとではなく、自分ごととして学ぶ事が出来ました。35名が受講し、最後に認知症サポーターの証のオレンジリングを受け取りました。

文責:渡辺佐和

[研修報告]セミナー2017「言語発達研究と言語聴覚療法~それらをどうつなぐか?~」

2017年7月30日(日)、竹田綜合病院竹田ホール(会津若松市)にて、セミナー2017「言語発達研究と言語聴覚療法~それらをどうつなぐか?~」が開催されました。このセミナーは、公益社団法人日本心理学会幼児言語発達研究会主催、一般社団法人福島県言語聴覚士会共催にて開催されました。<小児臨床>・<情報工学>・<心理学>の3分野を代表するトップの先生方の貴重なご講演を拝聴することが出来ました。

<小児臨床>言語聴覚士のリハビリテーション現場での言語発達研究:阿久津由紀子会長(竹田綜合病院)、小林哲生先生(NTT研究所)

言語発達分野の基礎と臨床との連携や情報交流が必要であること、言語発達基礎研究の最近のトピックス、現在進行中の研究プロジェクトをご紹介頂きました。

<情報工学>失語症者の言語訓練現場におけるタブレット・ロボット活用研究:黒岩眞吾先生(千葉大学)

慢性期失語症者の訓練にタブレット・ロボットの活用を試みたケースの紹介があり、実際に自宅に貸し出しての練習の様子を提示して頂きました。このような機器は訓練やST育成にも生かすことが出来る可能性があると話されていました。

<心理学>言語発達心理学の最前線:針生悦子先生(東京大学)

言語発達の基礎的な過程(言語音を作り出す、音声を聞く、単語の意味を学習する)について分かりやすく丁寧に教えて頂き、言語発達に重要な時期とその特徴を再認識することが出来ました。

セミナー後は、ポスター発表のセッションがあり、和やかながら活気ある交流をもつことができました。日々の臨床だけでなく、それを支える基礎研究に目を向け、日々進歩する情報工学にも関心を持つことで、臨床の幅が広がり、言語聴覚療法の質の向上に繋げることが出来ると実感した一日でした。

 

文責:斎藤貴美子(竹田綜合病院)

[活動報告]第2回ふくしまの未来を医療で担う夢応援事業における医療体験セミナー

福島県教育委員会主催「第2回ふくしまの未来を医療で担う夢応援事業における医療体験セミナー」に参加して参りました。

9月18日(日)ビックパレット福島で行われた医療体験セミナーに9名で参加して参りました。全体で約400名の中学生が参加する中、皆様のご協力のもと、合計約220名ほどの中学生に、①嚥下音の聴診体験(約193名)、②ラリンクスの体験(約120名)、③失語症患者さんに対応する体験(約69名)を体験していただけました。感動を素直に言葉に表したり、びっくりして笑ってしまったり、楽しく体験できたようでした。質問したり、パネルを読んだりと、積極的に体験している学生が多かったかと思います。12時30分から15時まで、途切れることなく学生が訪れ、昨年同様にぎわっておりました。ご参加くださった先生方には、臨機応変に対応していただき、誠に感謝しております。

また「私は言語聴覚士」の展示はとても好評でした。写真を提供して下さった先生方にも、感謝申し上げます。このようなイベントで、1人でも多くの中学生が言語聴覚士に興味を持っていただけたら嬉しいと思います。

(福島テレビ 9月30日(土)サタふく(11:00~12:55)番組内にて放映)

[研修報告]トップランナーセミナー報告

トップランナーセミナーの報告

2017年11月4日、郡山市のホテルハマツにてトップランナーセミナーが開かれました。

これは、地域包括ケアおよび介護予防に資する人材育成プログラムの一環で企画されたもので、PT・OT・STそれぞれの協会の会長(トップ)の話しを聞く非常に有意義なものでした。

 当日は、STから40名、PT80名、OT80名、計200名の参加がありました。

 PT協会の半田会長、OT協会の荻原副会長の講演は、STにとってPT、OTの動きを知るよい機会となりました。

ST協会からは、深浦会長が講演され、言語聴覚士の現状や私たち言語聴覚士が目指すべき道を話して下さり、会員の皆さんも自分たちの働いている福島県でこのような会長の話を聞くことができる貴重な時間だったかと思います。

 アンケート結果でも、『各士会の会長の話しを聞くことができ、非常に勉強になった。』『分かりやすかった』とよい答えが多くありました。

 今後も、この研修会で学んだことを活かして地域活動のスキルアップを進めていきたいと思います。皆さま、ご協力よろしくお願いします。